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心の豊かさ、優しさ、温かさ……
それらが生活苦の辛さを忘れさせてくれた。母の生きざまが、子供の心に残したたくさんの愛を、素朴な言葉に託してうたった母への賛歌。
■商品の目次
野牡丹の濃い紫が好きなのだけど
朝咲いて夕方には落ちてしまうので
いつ出会っても手折れずにいる
どうしてだろう
この花を見ると
きまって母を思い出してしまう
宵待つまでの黄昏のなかで
いつか母と見たかなしみがあるのだろうか
手折られるのをふせぐために
足音が近づいたら自ら花びらは落ちるという
いつ出会ってもそんな散り方をしていて
まだ美しいのに
実を守るために散ってゆく花が
ひたすらな母に似ている
■著者プロフィール
篠塚興一郎
昭和15年7月1日宮崎県生まれ。宮崎県里親連合会理事。聖心ウルスラ学園短期大学非常勤講師。日本詩人クラブ会員。剣道場星雲館館長として30年にわたり、剣道を教えている。
46判
ページ数 176
発売日 2001/08/01
ISBN 9784531063635
レビュー
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